2級実技試験に向けて指導をしています。
昨年度から私が心掛けていることとして、「事例検討」にならない、ということです。
どうしても受検生というのは、「試験の事例に対して、ロールプレイを上手にやれるように」という希望があります。
もちろんそれは、試験に合格するためには重要でしょう。
ですが、何をもって「上手にやれる」なのか、ということを考えると、そもそもの「クセや傾向」を改善していく必要があります。
そこに、課題や弱みがあるのなら、できるだけ修正していくほうが望ましいでしょう。
その事例だけでなく、本質的な部分となります。
それができて初めて、指導になるのだと考えています。
福浦塾の塾生というのは、(たぶんですが)私への信頼感があって成立しているのだと思います。
そうすると、課題や弱みをストレートにお伝えしても、さほど信頼関係は崩れません。
むしろ、「よくぞ言ってくれました」という感覚もあるでしょう。
それは、「私(塾生)を思って言ってくれている」ことを感じてくれるからだと思います。
ですが、初めてお会いした方に対して、そう感じてもらうのは大変です。
短い指導の時間において、本当の信頼関係を構築していくのは、そんなに簡単なことではありません。
どうすれば、相手を理解していけるだろうか。
理解したいということ、きちんと伝わっているだろうか。
そんなことを、考えていくことそのものが、信頼関係なのではないか、と近頃は思います。
これは指導の現場だけではなく、キャリアコンサルティングの現場でも同じことが言えるのではないかと思います。
目の前にいる人を理解すること。
理解したいと、こちらが思っていることを伝えること。
それがあって初めて、共同作業が成り立つのだと思います。
でなければ、こちらの言ったこと(助言やアドバイス)がいかに正論であろうとも、受け入れはしないだろうと思います。
正論や正義は、時には武器にもなります。
相手を簡単に傷つけることになりかねないのです。
それをわかったうえで、相談者(事例相談者)の前に立つ必要がある、ということ。
一体、どれだけの受検生が理解しているのか。
キャリアコンサルタントが現場でできているのか。
結局は、愛なのだな…、としみじみ思う、ポカポカと気持ちの良い日曜日でした。
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